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病院では原因がよくわからない、肩痛につながる疾患が見当たらない肩痛は、だいたい四十肩、五十肩と診断されています。(カルテ上は肩関節周囲炎)

ですがそれらの診断は間違いではありません。

よくわからない肩の痛みや関節の運動制限を有するものを通称で四十肩、五十肩と言います。

今現在の医学では原因が完全に特定されてなく、レントゲン等の画像診断でも異常は見当たらず、なぜ痛みが出るかは推測でしかありません。

そういうわけで、いわゆる「四十肩、五十肩」には治療すべき原因となる疾患がないので、

「この病名だから、この治療」というような具体的な手段というものが確立していないというのが実情です。

しかし表出している症状の時期によって、治療の効果が変わるとゆうことは判明しております。。

「そのように説明されてもピンとこない!」とおっしゃる方も多いと思います。

ですので、以下でいわゆる「五十肩」の時期における治療について御説明したいと思います。

下の絵はそれぞれ肩を前、後ろから見た図です。

 

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*ピンク色で示した部分が主に「五十肩」で押さえた時痛い部分です。

①急性期(6週~9ヶ月)における治療方法

一般的に急性期の凍結肩は動作時だけではなくじっとしていても痛く、夜間痛を生じる場合が多く、痛くて眠れずうつなど精神症状へとつながっていってしまう場合があります。五十肩を患っていらっしゃる方にとって、最もつらい時期です。

つらいことに、実際は、急性期は「何をしても痛いし、どんな治療をしても効かない」という状態です。そのため当初は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などによる痛みに対する対症療法が行われます。

NSAIDs

急性期は整体やカイロプラクティックはもちろん、病院でのリハビリを行っても鎮痛効果は期待できません。

急性期に治療を行った場合、たしかに施術直後は一時的に痛みが引くことはあります。しかし結局は数時間後には元に戻りやはり痛い状態となり疼いてしまう場合がほとんどです。これは根本治療ではありません。

そのため特に急性期は整形外科にて痛み止めの処方を受けることが最も痛みから解放される手段なのではないでしょうか。

②拘縮期(4~6ヶ月)における治療方法

拘縮期に入ると、“何もしないでも痛い”状態からはやや解放され、治療は主に運動療法が行われます。

治療は急性期と拘縮期の移行時期に最も有効であると考えております。

急性期の終盤「一時の激痛は少しおさまってきたが、動かすと痛い」という状況になります。それ以降、急速に関節の拘縮(固まって動かなくなること)が進行します。一度、関節拘縮が生じてしまうとそれを元通りにするのは非常に困難です。残念ながら、完全な可動域までの回復が難しくなります。

ですので、症状が変化する、急性期→拘縮期に移行するタイミングにおける“痛みの管理と関節拘縮の予防”が重要です。そのための手段として治療は効果を発揮すると期待できます。

治療とは「筋肉をゆるめる」と「血流を増加させる」の2点に特化した治療方法です。これにより痛みも軽減されることが期待されます。

なぜ、痛みが緩和されるのでしょうか?

人間は痛みを感じると条件反射によりその部位付近の筋緊張が高まります。肩関節は他の関節と異なり、筋肉によって支えられている割合が多いため、肩をとりまく筋肉の状態により可動性は大きく左右されるのです。

また、肩の動きは“肩甲骨の動き+上腕骨(腕の骨)の動き”によって成り立っています。(これを肩甲上腕リズムまたはコッドマンリズムといいます)

五十肩にお悩みの方はその痛みに対する防御と長期間肩動かさないことからほぼ全員に肩甲骨の硬化が生じます。(肩甲胸郭関節の拘縮が生じます)

運動療法・リハビリの効果が出ない原因は「肩甲骨」にあり!

肩の動きのうち、三分の一は肩甲骨の動きに頼るものです。気をつけの姿勢からバンザイのまでの角度を180度としたら、60度は肩甲骨が動くことによるものです。裏返せば、いわゆる肩関節(肩甲上腕関節)のみでは人体の構造上120度しか動かないのです。

五十肩、四十肩、肩甲上腕リズム、コッドマンリズム コッドマネクササイズ

そのため肩甲骨がきちんと動かなければ運動療法をしようにも、そもそもうまく動かすことができず、効果を期待できません。

リハビリにて肩を動かす運動を処方されても一向に変化がないか、動かしたくてもうまく動かない、あるいはある程度動くようになったが頭打ちとなったといった場合は、肩を動かす前段階として肩甲骨が動いていない可能性が高いです。

よって積極的に運動療法を行う拘縮期となる少し前から“肩甲骨の可動性”を確保するための治療は有効であり、併用して行うことで運動療法の効果を高めることにもつながり、結果的に完治までの期間を早めることにつながると考えられます。

③回復期(6ヶ月〜2年)における治療方法

回復期には、可動域が回復し、完治にむかう時期です。患者さんとしては肩を苦なく動かせるようになってきて、日に日に良くなってくるのが実感できる時期です。

治療の内容は、関節可動域の拡大とスムーズな動きを目指し、積極的な可動域訓練と筋力トレーニングをメインに行います。

特にインナーマッスルの機能回復、前後左右の対になる筋力(force couple mechanism)の関係性を整えることに重点を置きます。

フォースカップルメカニズム、force couple mechanism

肩局所だけでなく、姿勢や日常の動きなど全身に対するアプローチも行います。

この時の治療は、可動域を高めるための補助と筋力トレーニングによって疲労した部分の回復が主な目的となります。

治療の主軸は運動療法です。動かしにくさを補助して動きを円滑にすることがポイントです。二次的な痛みを予防する上で治療はとても有効なのです。

五十肩は自然治癒するの?という疑問にお答えします。

病期についての説明で「回復期」という言葉にピンときた方は、五十肩は自然に治ると聞いたことがある方でしょう。実際、五十肩の痛みは、自然と治まる場合があります。痛みがある、というのは五十肩の症状の一つでしかありません。痛みが治まる=五十肩が治った、ではないのです。

治療を行わずに放置して痛みが自然消退した場合、ほぼ確実に肩関節の可動域制限が生じています。痛みは引いたけれども、元のようにスムーズに動かない、肩を真上にピっと垂直にあげることができない、腕が耳につかない、といった状態となります。(実際は肩が90度まで動けば肘による代償で日常生活はこなせるようになるので、意識されていない方もいらっしゃるはずです。)

なぜ、動かすことのできる範囲が制限されてしまうのかと言いますと、五十肩の痛みをかばうことで、長期間にわたって肩関節を動かさないようにしてしまうためです。肩関節を長い間動かさないでいますと専門用語で「関節拘縮」が生じます。関節拘縮は「関節包の癒着が生じてしまう」状態を指します。関節包の癒着が生じてしまった場合は、基本的には医師による外科的処置を施さなければ回復は見込めません。

関節包に問題が残るだけでなく、筋肉にも悪影響が出ます。つまり、肩を長期間動かさないことで、インナーマッスルなど動かすために重要な筋肉が衰えるのです。これは単純に筋力の衰えと思われるかもしれませんが、筋肉を鍛えれば元に戻るというわけでもないのです。実は、筋肉を正しく動かす能力自体が衰えてしまうことにもつながるのです。

ですから、自然治癒するから、と何もせずの放置は禁物です。回復期を待つのではなく、拘縮期に治療することがベストです。繰り返し申し上げますが、五十肩は、「痛みがなくなる」=「完治」ではない点を是非ご理解いただきたいと思います。

何事にもあてはまりますが、治療を行うにあたり発症して時間が経てば経つほど完治への道のりが遠のきます。関節の癒着が生じてからですと、治療にも限界があるのは・・・残念ながら事実です。理想は拘縮期の初期から治療を開始するのがベストです。

運動療法の効果が全く出ない!病院でも五十肩が治らない原因

病院のリハビリなどでアイロン体操(=コッドマンエクササイズ=ぶん回し体操)や棒体操などのストレッチなどを行うように指導され、一生懸命行っても一向に変化が出ないことが大半かもしれません。これまで述べてきた通り五十肩の治療でもっと大切なことは病期と痛みの原因の把握です。運動療法の効果がない、一向に良くならない場合は、そもそも「五十肩の病期とその処置」「痛みの原因とその処置」が合致していない可能性大です。

アイロン体操↓

アイロン体操、コッドマン体操

棒体操↓

棒体操

五十肩は放っておいてもいつかは痛みがおさまることが多いため、軽視されがちです。

その治療方法も「五十肩・四十肩といえば〇〇」といったように昔から良いと云われ続けてきた方法がマニュアル的に行われていることが多いですが、肩こり同様最終的に「年齢のせい」ということでうやむやになっているのが現実でしょう。

五十肩が治らずに当院に駆け込んでいらっしゃる患者さんに経過を伺うと「リハビリに通ってもいつもの流れ作業の治療で、一向に病状が改善しない」とおっしゃられる方がとても多いです。

重大な疾患でなくとも、慢性的な痛みは精神症状へと影響を及ぼします。

五十肩・四十肩を軽視せず、その状態を入念に評価し「原因に対する処置」「病期に合わせた処置」を適時行うこと、これが本当に大切なのです。

当院へのアクセス情報

所在地〒338-0004 埼玉県さいたま市中央区本町西4-18-11 イコスピア
駐車場2台あり
電話番号048-764-9047
予約予約優先制 ※お電話・ネットでのご予約が可能です。
休診日火曜、祝日、研修参加日

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